どれにする? 照明器具の種類の話し
照明の計画をするにあたって「どんな照明をつけるか」は、インテリアの印象を左右するだけではなく
快適に暮らす上でも重要なポイントです。
憧れのあの照明器具をつけよう!と意気込んでいた方も
いざとなると、自分の好みだけで選んで大丈夫かなとか
そもそもこの部屋にこの照明器具はベストな選択なのかなと不安になってしまうものです。
部屋や暮らしにあった照明器具を選ぶためには
それぞれの照明器具の特徴について知ることが大切です。
今日は、照明器具についてお話していきたいと思います。
さっそく見ていきましょう。
【主照明と補助照明】
照明で照らす大きな考え方として、主照明と補助照明の2種類があります。
「主照明」は、部屋全体に必要な明るさを確保することを目的とした照明のことで
部屋の明るさを保つメインとなる照明です。
対して「補助照明」は、他の照明と組み合わせて利用する補助的な照らし方をする照明で
限定的な部分を照らしたり、部屋の雰囲気をつくる目的のために用いられます。
この「主照明」と「補助照明」を組み合わせて、照明計画を進めていきます。
「補助照明」を上手く利用して、必要なところに明るさを確保できれば
「主照明」はそれほど明るくなくても、快適に暮らせます。
【照明の種類】
次に、一般的な住宅に使われる照明器具についてチェックしていきましょう。
《①シーリングライト》
天井に直接取り付けるタイプの照明で、住宅では最も一般的な主照明の器具です。
デザイン面では、薄型でシンプルなデザインが多いですから
主張しすぎることなくどんな部屋でも馴染みやすい照明器具です。
天井に取り付けますから、高い位置から光が部屋全体に広がります。
効率よく空間の端まで照らすことができるため
全体的にムラのない明るさが必要な部屋に向いています。
反面、光の広がり方が均一なため単調な印象になりやすく
雰囲気を重視する部屋には不向きです。
シーリングライトがおススメなのは、リビング・子供部屋・玄関など
全体的にムラなく明るくすることを目的とした場合です。
《②ダウンライト》
ダウンライトは、天井に埋め込むように設置する照明器具です。
照明器具が天井面から出っ張らないので、部屋をスッキリ見せることができますし
天井が低い部屋であっても照明器具が邪魔になることはありません。
ダウンライトは複数並べて設置することで、均一な明るさを部屋全体に広げることができるため
主照明とすることができます。
また、明るさが必要な場所だけに部分的に設置して、補助的な照明とすることも可能です。
光は下向きに広がりますが、商品によって明るさや光の広がる角度が様々です。
商品自体の明るさと設置する数や位置位置の組み合わせによって、照らし方が大きく変わってきますので
どこをどのように照らしたいかをしっかりイメージすることが大切です。
ダウンライトは、配置によって部屋全体を明るくすることも、部分的に明るくすることもできますから
どんな部屋でもおススメできます。
《③ペンダントライト》
ペンダントライトは、天井からコードなどで吊るす照明器具です。
デザインやサイズの種類が豊富なため、きっと好みの商品が見つかると思います。
部屋の中で、目に留まりやすい照明器具になりますから、インテリアの主役にもなりえます。
コードの長さを調整して吊り下げる高さを調整できますから
高い位置に付ければ部屋全体を照らす主照明としても使えますし
低い位置に吊り下げれば、部分的な補助照明として使うこともできます。
ペンダントライトがおススメなのは、ダイニングテーブルの上や和室のような
下側を照らす局所的な明るさと高いデザイン性を求めたい場所です。
《④ブラケットライト》
ブラケットライトは、壁に取り付ける照明器具です。
トイレなどのような狭い空間でしたら主照明とすることもできますが
リビングのような広い空間では補助照明として利用します。
ペンダントライト同様、デザインやサイズの種類が豊富ですから
用途に合わせつつ、インテリアの雰囲気に合わせた商品選びができます。
ブラケットライトがおススメなのは、階段や吹抜け、勝手口などで天井に照明器具が取り付けしにくい場所や
洗面の鏡の上などのような、照明器具のデザインと明るさを空間のアクセントに利用したい場所です。
《⑤スタンドライト》
スタンドライトは、持ち運びができる置き型の照明器具です。
部屋の雰囲気をつくったり、明るさが足りない場所に明かりを補うことができる補助照明です。
テーブルやデスクの上に置いたりできる小型のものから
床に置いて使うような大型のものまで豊富な種類があり
他の照明器具と違って、コンセントがあれば好きな場所で使うことができるので
いろんな用途に利用できます。
スタンドライトは、ソファーやリビングテーブルの脇に置くなら、大型でインテリア性が高いもの
デスクやサイドテーブルの上に置くなら、小型で作業がしやすい明るさを備えたものを選ぶのがおススメです。
また、カバーが和紙のタイプを選べば、簡単に温かみのある和の雰囲気をつくることができますから、和室にもおススメできます。
《⑥スポットライト》
スポットライトは、器具の向きを変えられる照明器具です。
照明器具の向きを変えることで、光を当てる方向を変えることができますから
明かりが必要な場所や物をピンポイントで照らすことができます。
基本的には補助照明として使いますが、ダウンライトと同様に
商品自体の明るさと設置する数や位置の組み合わせによって、主照明とすることも可能です。
スポットライトは、飾り棚のような目立たせたいインテリアを演出したり
家具の変更などによって明かりを当てる位置が変わりそうな場所におススメできます。
《⑦ダクトレール》
ダクトレールは、それ自体が光る照明器具ではなく
照明器具を取り付けるための長細いレール形状の配線器具です。
ダクトレールには、複数の照明器具を取り付けることができますし
照明器具を好みの位置にスライドさせて移動させる事ができます。
ダクトレールには、スポットライトやペンダント
更にはシーリングライトも取り付けることができますから
照明器具の種類や数を変更して明かりの変化を楽しみたい場所におススメできます。
【まとめ】
「照明選び」というと照明器具のデザインや明るさに注目してしまいがちですが
どこでどのように使いたいかという目的によって、適した照明器具の種類が異なってきます。
また、ひとつの照明器具だけで、部屋全体の必要な明るさを確保しようと欲張るのではなく
主照明は控えめにして、補助照明で必要な場所に必要な明るさを補うようにする方が
使い勝手の面でも空間の雰囲気づくりの面でも上手くいきやすいと思います。
センサーで自動的に点灯させたり、リモコンで光の明るさや色の調整できる機能が付いた商品も豊富にありますから
便利に使うことができる機能面もチェックしてみましょう。
照明の明かりと機能を上手く組み合わせて、快適なお部屋にしてくださいね。
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