ワンちゃんネコちゃんと暮らすための家づくりの工夫
可愛らしい仕草や愛らしい表情で、私たちを癒してくれるペットは、大切な家族の一員です。
ペットの存在は、私たちの暮らしをより豊かに彩ってくれます。
私たち人間だけでなく、ペットにとっても居心地よく安全に暮らすために、家づくりの中で何に注意すればいいでしょうか?
今回は、ペットとして代表的なワンちゃん・ネコちゃんと暮らす家づくりの計画の中で、注意するポイントについてまとめてみました。
【ワンちゃんとの暮らし】
犬との暮らしで考えておきたいポイントは次の3つです。
《①お散歩》
犬との暮らしはお散歩が日課になりますから
お散歩の準備や帰ってきた後のお世話が負担に感じないよう
しっかり考えておきましょう。
玄関の広さは、リードやハーネスが容易に取り外しでき
安全に靴を履いたり脱いだりできる広さを確保しておきましょう。
玄関の近くに足洗い場を設置したり
浴室や洗面まで行きやすい間取りにしておけば
お散歩から帰った時のお世話も楽になります。
また、お散歩グッズの収納場所はどこが一番便利かも併せて検討しておきましょう。
《②コミュニケーション》
犬は寂しがり屋さんなので、家族の傍が大好きです。
家族が多くの時間を過ごすリビングには
一緒に過ごせるよう犬のスペースを確保してあげましょう。
また、普段は自由に動けるようにしてあげていても問題ありませんが
来客時や食事の時など動き回ったら困る場合に
ケージなど決まった位置に移動できるよう定位置を決めておいてあげましょう。
間取りや使い勝手の関係上
定位置としてのスペースが取れない場合は
階段下や収納のスペースを上手く活用する方法などもありますから
担当者に相談してみるといいと思います。
定位置が決まっていれば
苦手なお留守番の時でも安心して定位置で過ごすことができます。
《③暑さ対策》
犬種によって差があるものの
一般的に犬にとって快適な室温は20℃前後と言われています。
人間が快適に感じる室温とひらきがありますから
室温の管理に配慮が必要です。
もし、暑がっている様子を見せるようなら
少し温度を下げましょう。
建築側での工夫としては
犬が自由に移動できる空間の中に土間やタイルなど
体を冷やすことができる床面をつくってあげられるといいですね。
【ネコちゃんとの暮らし】
猫との暮らしの中で考えておきたいポイントは次の3つです。
《①運動》
野良猫は食事を確保するため広い縄張りをもっていますが
室内飼いの猫であれば広さはあまり重要ではなく
一般的な住宅の広さで問題なく過ごせます。
猫にとって大切なのは、広さより高さです。
敵から身を守るため高いところで安全を確保してきた名残りから
高いところを好みます。
お散歩に連れ出す必要がないとはいえ運動は必要ですから
キャットタワーや段違いの棚など
猫が自由に動き回れる、また安心して寛げる高い場所を準備してあげましょう。
《②コミュニケーション》
猫によって個体差はありますが
どんなに甘えん坊な猫でも
基本的に単独行動できる時間が必要です。
猫は自分でテリトリーである室内をパトロールしたり
居心地の良いスペースを探して過ごします。
その単独行動の時間の中で自由に寛げるように
誰にも干渉されず身を隠して一人になれる場所と時間を準備してあげましょう。
家族のすぐ傍ではなく
リビングの隅などにキャットハウスを置いておいたり
自由に移動ができるような壁をくりぬいた通り道などは喜びます。
《③爪とぎ対策》
猫特有の行動として「爪とぎ」がありますよね。
キズが付きにくい壁材などもありますが
自由に爪とぎをさせていては、やっぱり剝がれてしまいますし
せっかくの新居がすぐに傷んでしまいます。
猫はお利口さんですから
しつけすれば決めた場所で爪とぎできるようになります。
爪とぎ用の柱を設置するのか
壁に爪とぎボードを設置するかなど
どこでどのように爪とぎをさせるかは、しっかりと考えておきましょう。
【共通して考えておきたいこと】
ワンちゃん・ネコちゃんと暮らす家づくりの中で、他にも考えておきたいポイントがあります。
《①床材》
ペットにとって滑りやすい床材は
足腰に負担がかかったり
ケガや事故の原因になってしまいます。
また、お水をこぼしたり粗相をしてしまったりという場合もありますので
お掃除のしやすさも考えておきたいポイントです。
滑り止めのコーティングをしてあるフローリングや
水分やアンモニアに強いペット対応の床材もありますから
採用を検討してみましょう。
《②エリアの管理》
お互いに気持ちよく安全に暮らすために
自由に移動できる場所と入ってはいけない場所は
しっかりエリア分けをしておくことは大切です。
例えば、キッチンに入れないよう独立型にしたり
ペットフェンスで入れないようにしたり
調理中の事故や誤食・誤食が起こらないよう工夫が必要です。
ペットフェンスを設置する予定であれば
フェンスのサイズや取付けの位置を確認しておきましょう。
浴室も事故が多い場所です。
浴槽に落ちて溺れたり
洗剤などを誤食しないよう必ずきちんとドアを閉めるようにしましょう。
また、折れ戸はペットが開けてしまいやすいので
浴室のドアは開き戸や引き戸の採用をおススメします。
《③食事とトイレ》
ペットにとっても、食事やトイレスペースは大切なプライベート空間です。
人が頻繁に行ったり来たりするような場所だと
落ち着いて食事やトイレができませんし
人間の方もお皿やトイレにつまづいてしまうこともあります。
それに、トイレの位置が寛ぐ位置に近すぎると
ニオイが気になってしまうこともあります。
ペットが安心して食事やトイレができるように
人間の生活動線から少しずらした位置で
お世話の負担にならない程度の距離にスペースをとってあげましょう。
また、どんなにしつけをしていてもトイレから外してしまったり
フードをこぼしてしまったりすることもありますから
お掃除しやすい床材を検討してみてもいいですね。
《④コンセント》
特に子犬や子猫のうちは
コンセントにおしっこをかけてしまったり
配線コードをかじって遊んだりして感電してしまう危険がありますから
ペットと一緒に過ごす部屋のコンセントには注意が必要です。
コンセントの高さを高く設置したり
コンセントカバーを設置するなど対策しておきましょう。
《⑤外を眺める窓》
犬も猫も、家の窓から外を眺めるのが大好きです。
玄関などの飼い主が出かける位置に設置すると
お出迎えやお見送りができるようになりますし
お庭の木が風に揺れているのを長い間眺めて気分転換?したりします。
猫の場合は
中連窓の高さでも座れる程度のスペースがあれば自分で移動して外を眺めることができますが
犬の場合は犬の目線の高さに窓を設けてあげないと外を眺めることができません。
設置の際は中連窓の高さを下げたり
地窓にするなど、設置の高さに注意してあげましょう。
【まとめ】
大切な家族であるペットと暮らす家づくりには
ペットの健康と安全を確保しつつ快適な暮らしができるよう
ペットの習性とその子の個性をふまえた配慮が必要です。
ご紹介したペット対応の床材や壁材の他にも
ペットが自分で通り抜けができるペット専用ドアが付いたドアや
ペットを洗いやすい洗面台など
ペットとの暮らしを考えた商品はたくさんありますので
ペットとともに暮らす予定であることを担当者に早めに伝えておくと
いいアドバイスや素敵な提案をもらえるでしょう。
また、階段を緩やかにつくっておくことは
ペットにはもちろん小さな子供や高齢の方にも優しい住まいと言えます。
ですが、ペットにとっての快適さを優先して
予算をかけすぎてしまったり
スペースをとりすぎてしまったり
人間が生活しづらくては意味がありません。
大切なことは
お互いが居心地よく、負担なく、安全に暮らせるよう
どの対策を採用するかを予算と併せてしっかり考えることです。
今回の記事を参考にして、可愛いペットとの快適な暮らしを検討してみてくださいね。
ちなみに我が家にはダックスフンドのテンマ君が居ます。
犬なんだけど、行動やしぐさがネコの様なんです(^^♪
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