カーポートとビルトインガレージのメリット・デメリット
徒歩圏内にスーパーやコンビニ、学校や職場、医療施設など
日常に必要なモノが揃っている地域であれば
車を持たない暮らしも可能です。
ですが、公共交通機関までの距離が遠いうえ
電車やバスの機能が弱い不便な地域での暮らしには
車を所有されているご家庭が多いのではないでしょうか。
今日は、車を所有されている方の住まいの計画の中で関心が高い
「車庫」について取り上げたいと思います。
車庫には大きく分けて
建物の内部に駐車スペースがあるビルトガレージと建物と
離れた位置に駐車スペースを設けるカーポートの2つがあります。
それぞれのメリットとデメリットを確認していきましょう!
【ビルトインガレージとは】
ビルトインガレージは、生活空間のある建物の1階部分に車を格納できるスペースを確保する車庫のことです。
シャッターを付ければ、完全に建物の内部に車を収納することができます。
車が駐車できるだけの広い空間としてつくりますから
希望すれば駐車スペースとしての使い方だけでなく
冬用のタイヤや車のお手入れ用品などを保管したり
自転車やアウトドアグッズを収納するスペースを設けたりすることも可能です。
【ビルトインガレージのメリットとデメリット】
ビルトインガレージのメリットとデメリットをみていきましょう。
《メリット①車を守れる》
ビルトインガレージの最大のメリットは、内部のものを外部から守れる点です。
ビルトインガレージは、車が建物内部に完全に格納されているため
車を雨や風、紫外線などの気象現象から守ることができます。
雪や風の影響を受けやすい地域では
充分にこのメリットを受けることができます。
また、車や収納品へのいたずらや盗難などのトラブルからも守ることができます。
《メリット②雨にぬれずに家に入ることができる》
ビルトインガレージは、車ごと建物の中に入るようになりますから
室内に直結する勝手口を設置しておけば
雨に濡れたりすることなく室内に入れます。
悪天候であっても、たくさんの荷物や重い荷物などをゆっくり時間をかけて運ぶこともできますし
小さなお子様や高齢の方でも、傘をさすことなく自宅に入ることができますので
安全に移動できます。
《メリット③車庫以外の使い方ができる》
ビルトインガレージをつくる主な目的は大切な車を守ることですが
それ以外にもいろいろな使い方ができます。
先にお伝えしたように、車関係の用品や趣味の道具の保管することもできますし
収集日までゴミを保管する外用のゴミ箱などを置いておくこともできますから
室内に置きにくい荷物の収納には活躍します。
また、ガレージ内は雨や風などの天候に左右されませんから
一時的に車を外へ出してできる広いスペースを利用して
お子さんと少し汚れるような遊びをしたり
DIYなどの趣味の作業スペースとしても利用できます。
《デメリット①》
ビルトインガレージの一番のデメリットは、建物の1階部分の面積を奪われてしまうことです。
敷地や建物の広さにもよりますが
建物内にガレージの面積を確保すると
1階部分で他の部屋にとれる面積が狭くなってしまいますから
一般的に1階に配置するキッチン・ダイニング・リビングのような繋がりのある主要な部屋や
希望の部屋がうまく配置できなくなることがあります。
そのような場合は、建築コストは上がってしまいますが
主要な部屋を2階へ設置することも検討する必要が出てきます。
《デメリット②コストが上がる》
ビルトインガレージは、建物の一部に車が出入りできるほどの大きな開口部をつくるため
建物の強度や耐震性を保つための建築コストが高くなります。
ビルトインガレージを含めた建物全体の強度を確保するために
建築コスト増になってしまうことは、必要な経費と考えてください。
【カーポートとは】
カーポートとは、生活空間のある建物とは別に設置する
柱と屋根だけで構成される車庫のことです。
壁がないのでビルトインガレージよりは簡易的と言えますが
屋根はありますから、雨や雪、紫外線から車を守ることはできます。
【カーポートのメリットとデメリット】
カーポートのメリットとデメリットをみていきましょう。
《メリット①手に入れやすい価格》
カーポートの最大のメリットは、手に入れやすい価格です。
最近ではスタイリッシュで素敵なデザインの商品もたくさんあり
選ぶ商品によって価格に差があるものの
ビルトインガレージと比べるとかなり費用を押さえることができます。
敷地に余裕がある場合は選択肢の一つとして加えてみるのもいいと思います。
《メリット②敷地に合わせて設置できる》
カーポートは、柱と屋根だけで構成されているため
容易に形状の変更ができます。
敷地の形状や駐車したい台数に合わせて
カーポートのサイズを調整できますから
家に入りやすい位置に設置したり
植栽のスペースを邪魔しないようになど
敷地内の希望の場所に設置しやすいです。
また、工事期間が短いためすぐに設置が完了することも魅力です。
《デメリット①車が汚れることもある》
カーポートは、基本的には雨や雪、紫外線から車を守ることができますが
風からは守ることができません
。風で飛んできてしまった物が車を傷つけたり
花粉やホコリがついたり、雨が振り込んだりして
車が汚れてしまうことはあります。
また、壁がないオープンなつくりのため
車に対するいたずらや盗難のリスクはありますから
センサー付きの照明を設置して
人が近づくと点灯するような対策をしておくといいと思います。
《デメリット②配置によっては圧迫感がでてしまう》
悪天候の日の使い勝手を考えると
なるべく玄関や勝手口などの出入口近くに設置した方が便利に使えますが
あまり出入口に近いと玄関まわりの空間が暗くなってしまい
圧迫感が出て狭苦しく感じることもあり得ます。
圧迫感を出さず便利に使えるように
建物とカーポートの配置をしっかり検討しておきましょう。
【まとめ】
ビルトインガレージの設置では
建築コストが上がるため充分な予算を取る必要がありますが
しっかりと車を外的な要因から車を守ることができますし
完全に雨に濡れず移動できます。
また、天候に左右されず半分室内的な利用ができることも魅力です。
一方、カーポートの設置では
風の強さによって多少の雨の降り込みやホコリなどから車を汚してしまうことはあるものの
手頃な費用で悪天候の日にも便利に使えることが魅力です。
それぞれメリットデメリットはありますが
どちらを選んでも悪天候の日にはつけていてよかった!
と実感できるでしょう。
今回の記事を参考にして、敷地の状況や予算と相談しながら自分たちの生活に合うものを検討してみてくださいね。
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