猫と暮らす家について考える

はじめまして。今回は、クワホームスタッフの松本がお届けします。
早速ですが、簡単に自己紹介をさせてください。
Instagramを見てくださっている方はご存知かと思いますが、現在はチワワのちょこちゃんと拾い猫のだいくん(犬1匹猫1匹)と共に生活をしております。
一緒に生活をしていると、ワンちゃんより猫ちゃんのほうが家の中での行動範囲が広いことを実感します。例えば、高いところに登ったり、狭いところに入ったり、引き戸を開けたり、、、とにかく器用なことをしますよね。同時に、家の中を猫ちゃん仕様にしてあげたいという気持ちも高まってきます。
今回は、そんな私の実体験から「こうだったらいいな」と考えている日頃の思いを交えて、猫と暮らす誰もが望んでいるであろう『猫ファーストの家』を皆さんと共に考えてみようと思っております。きっと、ここまで読んでくださっている方は、もうすでに工夫したい点が何点か思いついていることではないでしょうか。
では、『猫と暮らす家』について考えてみましょう。
【『猫と暮らす家』とは】
猫と暮らす家とは、簡単に言えば『猫が暮らしやすい家』ということです。猫の習性を理解し、その習性を活かすことで猫が暮らしやすい家を造ります。
例えば、高い場所を行き来し上下運動ができるスペースを確保したり、日向ぼっこができるようにしたり、きれい好きな猫ちゃんのために掃除をしやすく工夫したり、と少し考えただけでも山のように思いつきますね。
猫の習性や、その習性に対する課題や問題点をあげ、猫と飼い主である皆さんがストレスなく過ごせることを目指した家づくりについて、考えてみましょう。
【キャットウォーク】
まず一番に思いつくのは、キャットウォークです。よく、階段を上り下りしたり、階段の上に座ったり、タンスや棚の上、冷蔵庫の上にまで飛び乗ったり、高い場所でリラックスしている姿を見かけます。それは、猫は床を歩くだけでは物足りなさを感じることが多く、運動不足に陥ってしまうことがある動物だからです。
そこで高い場所との行き来で上下運動をすることができるキャットウォークは是非設置したいものです。
しかし、家づくりの段階では設置していないご家庭が多いのではないのかと思います。家を建てる時点で猫を飼っていなかったこともあるかもしれません。また後から設置するにしても自分達でDIYする?キャットウォークのためにリフォーム工事をお願いする?設置費用がいくらなのか分からない、など悩みが尽きないため、踏み込めないことが多かったのではないかと考えられます。
最近では、キャットウォークを設置することが昔より増えてきているので、それに伴い情報も施工事例も増え、情報が目にしやすいかと思います。是非、皆さんも検討してみてはいかがでしょうか。
猫は人間とは異なり、縦横上下あらゆるところに交差して動くことがとても大好きです。壁にキャットウォークを設置してあげることで、キャットタワーでは補いづらい猫ちゃん専用の動線を作ってあげることができたら、猫ちゃん本人も、飼い主の皆さんも嬉しいですね。
画像のように、ガラスの床にしてみると、肉球も時にはお腹も丸見えになり最高ですね。
【日光浴】
猫は居心地の良い場所を見つける能力にも優れています。猫が寝ているところは、家の中で最も快適な場所と言われるほどだそうです。たしかに、日差しの当たる暖かいスペースを探して気持ちよさそうに寝ている姿はよく見かけるものです。人間も日の光を浴びて体調や自律神経を整えるので、猫も同じ理由なのでしょうか。
それは「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌、太陽光に含まれる紫外線によりノミ・ダニを寄せ付きにくくさせ皮膚の健康を保つ、ビタミンDの吸収等様々なメリットがあるからです。
また、日光不足になると免疫低下、体温調整が難しくなるために熱中症や低体温のリスクの上昇、情緒不安定にもなると考えられているそうです。
やはり、猫と暮らし、猫が健康を維持するには日光浴スペースはなくてはならない重要なスペースです。
猫は特に狭い場所や高い場所が落ち着くことが多いので、そのような場所につくってあげたいものです。たまには皆さんも一緒にゴロゴロできるように広いスペースを確保するのもいいですね。
まれにお外を好む猫ちゃんもいるので、中庭をつくったり、その中庭にバルコニーのような場所をつくったりすることも考えられます。そのような場合は、愛する猫が危険な目に遭わないよう、ロック機能付きのペットドアを設置するなどし、脱出対策をしっかりとしましょう。
猫も皆さんも安心できるスペースにしたいですよね。
【清潔保持】
猫と暮らすには「清潔保持」も欠かせません。なぜなら、猫は綺麗好きで汚れに対して神経質な習性もあると言われているからです。
特にトイレ周りには神経質な猫ちゃんが多いのではないでしょうか。それは、排泄物から発する自分自身の匂いを消して、外敵や獲物から存在を隠し、気付かれないようにするためです。
常に清潔を保てるのが理想ではありますが、お仕事や学校、育児などに追われる日々の中ではなかなか難しいことですよね。家づくりの観点からいうと、清潔を保ちやすい=掃除をしやすい工夫ならできるのです。例えば、掃除が隅々まで行き届くように、段差を減らしたり、小さすぎる隙間をつくらないようにしたり等です。もちろんこまめに掃除ができることが一番ですが、そういった工夫も取り入れながら少しでも清潔を保ち、猫ちゃんのストレスを軽減させてあげたいですね。
また猫は、自分でグルーミング(毛繕い)をし、自分の身体を清潔に保っています。それは健康維持と体温調節に欠かせないことで、本能的な行動でもあります。グルーミングは自分の匂いを全身に行き渡らせることでリラックス効果を発揮し、不安や葛藤した気持ちを紛らわせることもできるのです。
清潔感のある安心できる場所でグルーミングをするためにも、段差が少なく、小さすぎる掃除のしづらい隙間は、出来るだけなくしたいですね。
【爪とぎ】
「お願いだから!そこではやらないで!お願い!」
そんな飼い主さんの声、知ったこっちゃありません。
肉食の野生動物の名残から、家の中だけで過ごしている猫でも自分自身を守るために常に鋭い状態を整えておく能力が備わっています。また、グルーミングと同様に、ストレス発散や、リラックス効果も期待できる行為です。
問題は、「どこで」爪とぎをするかです。
しつけをされた猫ちゃんなら、準備された爪とぎ用の場所のみでするかと思いますが、それがなかなか難しいのです。
実際に私の家で生活している「だいくん」はもちろん爪とぎ専用の場所でもしますが、そこだけには収まらず、家じゅうの壁でガリガリとしてしまうのです。
そこで思いついたのは、壁にアクセントを加えることです。いくら家じゅうで爪とぎをしてしまうとはいえ、爪とぎをする高さは決まっているので、その高さ全体を爪とぎにしてしまう、もしくは爪を研ぎづらい素材に替え、自然と指定した場所でできるように促せばいいのではないかと考えました。
大掛かりに思えますが、愛する猫ちゃんと生活するなら、お安い御用ですね。
まとめ
今回は、『猫と暮らす家』について、キャットウォークの設置、日光浴スペースの確保、清潔を保つための工夫、爪とぎ問題の4つに分けて考えてみました。愛猫のことを考え始めたら、悩みも工夫も尽きないもので、まだまだ湧いてきます。
今回上げた話題について皆さんの参考になりましたら嬉しいです。
それでは、猫ちゃんと共に素敵な毎日をお過ごしください!